知っているようで知らない「クラフトビール」の定義とは?「地ビール」との違いを解説

ここ数年でだいぶ身近になった「クラフトビール」。 けれどいざ、どんなビール?と聞かれると、説明に困ってしまう方も多いのでは。 「地ビールとの違いは?」「なぜ人気?」 今さら聞けない「クラフトビールって何なの?」という疑問に、歴史を交えて解説!

知っているようで知らない「クラフトビール」の定義とは?「地ビール」との違いを解説

ここ数年でだいぶ身近になった「クラフトビール」。


けれどいざ、クラフトビールってどんなビール?と聞かれると、説明に困ってしまう方も多いのではないでしょうか。


「地ビールとは違うの?」「スーパーにあるビールとの違いは?」「なぜ人気なの?」


気になっていたけれど今さら聞けない「クラフトビールって何なの?」という疑問に、歴史を交えて解説します!



クラフトビールとは?

もともとクラフトビールブームが日本で始まったころは「小規模なブルワリーで作られる、造り手のこだわりが詰まった味わい豊かなビール」のことを、一般的にクラフトビールと位置づけていました。

が、公式にクラフトビール=●●という明確なものはなく…

 

最近では大手ビールメーカーでも“クラフトビール”を発売しており、“小規模生産=クラフトビール”という定義すら崩れているのも事実です。

 

しかし、クラフトビール専門店である私たちが想う(取り扱う)クラフトビールの定義は

【クラフト(craft)=工芸・職人技・技術】

 

職人が魂を込めて造る(=クラフトマンシップ)小規模生産のビールこそがクラフトビールと考えています。

 

大手メーカーを批判するわけではありませんが…

やはり、小規模だからこそできる様々なチャレンジがクラフトビールの魅力だと考えているからです。

◆クラフトビールはエールビールが多め

大量生産が可能な大手メーカーのビールは、そのほとんどがラガー酵母を使った「ピルスナー」というスタイル。スッキリとした味わいでアルコール度数は5%前後、クセがなく日本人に馴染み深い味わいです。


一方クラフトビールは、味も見た目も種類豊富で、オリジナリティに富んでいるのが特徴。人気のIPAと呼ばれるスタイルは、柑橘を思わせるホップのフルーティな香りと、ラガーとはまた違うクセになる苦みが特徴です。

 

他にも、

・フルーティで苦み控えめのヘイジーIPA(NE IPA)

・バナナのような香りが特徴のヴァイツェン

・香ばしい香りとほのかな甘さが特徴のスタウト

・フルーツがたっぷり入ったカクテルのようなフルーツエール

・野生酵母を使ったランビック


などなど、ビアスタイルはなんと約100種類以上!!

 

のど越しで楽しむラガービールに比べ、エールビールは温度変化による香りや苦味などをゆっくりと楽しむ、ワインのような楽しみ方がおススメです。

苦いだけがビールじゃない、そんなビールの概念を覆すものも多く、

一杯飲むたびに新しい出会いがあるそれがクラフトビールの魅力なのです。



 ◆発祥はアメリカ

ビールといえばベルギーやドイツが有名ですが、クラフトビール発祥の舞台はアメリカ。禁酒令を経て、1970年代にホームブルーイング(自家醸造)が合法化されたのがそもそもの始まりです。

大手メーカーの造る、画一化された味のラガービールにうんざりしていた人たちが”自分の飲みたいビール”を造り始めたところから、クラフトビールカルチャーは生まれました。


80年代に入るとムーブメントはより確かなものとなり、クラフトビールという呼称もこの頃から使われるように。アメリカの新たな文化として定着し、国外へと広がっていきました。

 

 ◆地ビールとクラフトビールは同じ?違う?

日本では、90年代後半にクラフトビールの第1次ブームが到来。これがいわゆる地ビールブームです。

「小規模・少量生産で作られた、個性豊かなビール」という点でいえば、地ビールもクラフトビールもほぼ同義語です。ただ、地ビールという名前にあまりいいイメージをもたない人がいるのも事実。

 

歴史をさかのぼると・・

1994年に日本政府が酒税法を改正し、小規模な醸造所での製造が解禁。年間生産量が60キロリットル以上に緩和されたことから、それまで大手メーカーに限られていたビール醸造が地方の小規模な事業者にも開かれました。

 

主にお土産品として人気を博した地ビールでしたが、

 

・従来のビールより価格が高い

・技術不足により品質の不安定なビールが流通してしまった

 

などの理由から

「地ビール=不味い」というイメージがついてしまい、ブームは数年で終息を迎えます。

美味しいビールづくりは一朝一夕でできるものではないのですね・・。

※なぜ地ビール時代のビールが美味しくなかったのか…は、また別記事で詳しく...


 

 多くの醸造所が閉業しましたが、そんな逆境に負けず地道に努力を続けてきたブルワリーもあります。
伊勢角麦酒
箕面ビール
ひでじビール
など、歴史から得た経験と技術向上への情熱が、現在の日本のクラフトビール文化を牽引しています。

 

そんなわけで、

クラフトビールという呼び名は、地ビール時代のイメージを払拭するためにつけられた背景があります。

 

地ビールが地域の特徴を全面に押し出したものであるのに対し、クラフトビールはブルワリーの個性やこだわりを大事にしたビールだといえるでしょう。


どちらの名称を使うかは、造り手のこだわりやコンセプトによるところが大きく、また近年は大手メーカーの参入により「クラフトビール=小規模生産」というイメージも変わりつつあります。

 

◆2度目のブーム到来。今クラフトビールが人気の理由 

2010年頃から徐々に広がりを見せる第2次クラフトビールブーム。今になって人気が出た理由は、大きく2つあげられます。

 

 ①アメリカのクラフトビール文化が成熟

2000年ごろのアメリカのクラフトビールシーンは、成長と多様化が進み、様々なスタイルが生まれ現在のクラフトビールブームの礎を築きました。


その影響は日本にも徐々に広がっていきます。国内でもビールイベントやビアバーが増え、SNSの広がりによって、個性的なビールや新しい海外のビールなどを見つけやすくなりました。

 

②ニーズの変化 

当店を訪ねてきてくれるお客様の約半数は、クラフトビールを飲んだことのない方や、詳しくはないけれど何度か飲んだことがある、という方です。

特に、女性や若い方で「普通のビールは苦手だけどクラフトビールなら飲めるんです」との声多し。

 

クラフトビールは、味わい・色・香り、個性的なジャケットも含めて本当に多種多様。従来のビールが苦手な人でも受け入れやすく、気分や好みに合わせて選べる楽しさがあります。

最近は「ちょっと贅沢な飲み物」という立ち位置からギフトに選ばれることも多くなりました。

 

ほかにも、

・地ビールブーム終了後も技術力の向上を続けた小規模ブルワリーの努力

・コロナ禍での家飲み需要の増加

・大手ビールメーカーの参入

 

などにより、クラフトビールはここ数年でぐっと身近なものになりました。

 

年々国内のブルワリーも増え、その数は800か所以上(2023年時点)!本場アメリカと同等、あるいはそれ以上のクオリティが高いビールを日本でも味わえるようになりました。

 

 ◆個性豊かなクラフトビールを楽しもう!

クラフトビールは、造り手のこだわりが詰まった味わい豊かなビールのこと。

その時にしか出会うことのできないビールもあり、多種多様な味や香りが特徴です。

 

明確な定義はなく、各醸造所や売り手のコンセプトやこだわりによって、その呼び方は変わります。

 

大事なのは自分がどう感じ、受け取るか。

あまり枠にとらわれず、美味しいビールとの出会いを楽しんでみてくださいね。


 

全国・全世界でブルワリーが急増している中、

WITCH CRAFT MARKETでは、ビール造りの知識向上を測ることにより、そのブルワリーのこだわりや技術・知識などを正しく理解し、ブームにとらわれず、皆様に美味しいビールに出会って頂くためのこだわりの仕入れを一貫して行っております。

 

ジャケ買いするもよし。スタイルから自分好みを探すのもよし。

きっと、あなたにぴったりのビールが見つかるはずです。

 

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